築地市場の移転問題-続き

あまりに問題の多い、築地市場豊洲新市場への移転問題 そのつづき。

 

5. 豊洲新市場はコバエや蚊だらけになる?

築地では海水を使って、床掃除を行っていて、これまで何の問題もなかった。ところが、新市場では海水を床に流してはいけない、真水を使わなければならない、と東京都が考えていることを、築地の仲卸で働く中澤誠氏(東京中央市場労組執行委員長)が明らかにした。海水ではボウフラが育たないから、コバエや蚊も湧いてこなかったが、これから真水を使うとなると、床に水たまりができてにボウフラが湧く可能性が高いと指摘する。 またこれまで活魚に海水を入れてターレで運搬する際に、どうしても大量の海水がこぼれるという。こぼれた分を補うとして、真水に切り替えてると途方もない、水道代金がのしかかるという。

こぼれる海水だから新鮮な海水魚を扱うマーケットで、海水を扱えないなんて、役人たちはあまりにも働く人を完全に無視しているんじゃない? 都民の税金を勝手に使って、一体だれのための市場を作ろうとしているんだ?

 

6. 交通アクセスは大丈夫?

アシの問題です。豊洲新市場では主なアクセスは、ゆりかもめ。それも運転開始は朝の5:41。夜明け前から働く人にとっては、決して早い時間からの運行ではない。しかも高いし、狭い。自転車で通うにしても、あのあたりのマンション借りると高そうだな、と余計な心配してしまう。

築地は江戸の時代から発展し、明治の時代は外国人居留地としても栄えてきた街でもあるし慶応義塾の発祥の地でもある。そして築地市場が誕生したのが1930年。もう85年も頑張ってきたがまだ現役なのだ。文化の香りがただようのは当たり前。市場で働く人や、周辺の店、会社が一体となって庶民の文化を作り出してきたのだ。 

小生が借りている事務所の大家さんの様子をいつも見に来ているM子さんがいる。ご夫婦で築地でお店を持っていたそうだが、移転を前に昨年店を閉じる決意をされたとのこと。弟さんもしかり。新市場でのテナント料、移転費用は自腹などこれからの将来を考えたときに商売のめどがたたないことが明らかだったという。今はあたらしい前向きな気持ちだとのことだが、心の中では残念でならないだろう。小生の周りにも築地移転問題を抱えた人がいたのだ。

 

今は、人工的な豊洲の街も、いずれ発展とともに何かかの文化を生み出すかもしれない。でもそれは冷たい人間が、働く人のことを無視して、人工的に生み出していくものではない。そんな中からは文化は決して生まれないだろうと思う。

 

他にも色々問題点があるのだろうが、とりあえず今回はこのあたりで。

 

豊洲新市場の問題点は、日本弁護士連合会の前会長だった宇都宮健児氏が、都知事選挙候補にあたって、都政の最大の問題10個の一つにして掲げていた問題点であった。東京都の問題点を見つめ続けてきた方だ。野党の統一のために、自ら立候補を取りやめるという苦渋の選択をされた。宇都宮健児さんの高潔な生き方を心から尊敬する。できることなら、副知事として、新知事の指南役としてご活躍をいただきたい。