築地市場の移転問題

7月末の都知事選挙が行われ、新しい知事が誕生するが、誰が都知事になっても解決すべき問題がある。それが東京の台所として知られて、親しまれてきた東京都中央卸売市場、いわゆる築地市場豊洲への移転問題だ。

 すでに6,000億円もの予算を投じて建設されてきて、今年11月7日のオープンを待つ段階というのに、この豊洲新市場の何が問題なのか? 簡単に問題点をおさらいする。

 

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1.土壌汚染

東京ガスの工場敷地を東京都がなかば強引に買い取ったといわれている。都市ガスを製造する過程において生成された副産物などによる、7つの物質(ベンゼン、シアン化合物、ヒ素、鉛、水銀、六価クロムカドミウム)が土壌を汚染し、地下水にもこれらの物質が紛れているという、化学物質による土壌汚染の問題だ。これがマーケットとして果たしてふさわしい場所と言えるのか?

 

2. 液状化現象

3.11の大地震の時に、この新市場の土地で液状化現象が起こったという。これについての対策はあまり講じられていないという。築地市場は、その名の通り土を海に埋め立てて築き上げられた場所だが、強固だという。事実、建物も含めて築地市場では大きな被害が出なかったと聞く。 また築地以上に、東京湾に対面する形で設計された新市場。起こりうる大地震、大津波に対して、働く労働者を守れるのか?

 

3. 対荷重問題

STOP築地移転を訴える中澤誠氏によると、築地市場を行き交うターレーは、車両本体が930kg, 大人1人乗って1000kg, 魚など1000kgを積んで合計2000kgの荷重がかかる。1㎡あたり2トンの重量に耐えられるように設計されているのが築地市場。これに対して、新市場では1㎡で0.7トンの荷重設計になっているそうだ。車両本体よりも少ないというのは一体どういうこと?

 

4. 建物の問題

建築エコノミストの森山氏が入手した、豊洲市場の設計図面はどうみても、築地のような市場として設計されていないという。まるでアマゾンの巨大配送センターのような構造だという。これはどういうこと? 息子から質問されて思いついた。この豊洲新市場はTPP締結を前提として、同盟国(というよりも日本が属国!)のアメリカからの大量の魚と農作物を輸入し国内へ配送するための拠点ではないのだろうかと気がついた。遺伝子組換え技術であぶない食品がぞくぞくと輸入されるのだろうか?

 

その他、問題はまだまだ山積み。また別の機会に。